歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤
慶の“嫌い”という言葉に、ズキッと心が痛くなる。



ええい!もうヤケだっ!!

こうなったら、なんとでもなりやがれ!!
女は度胸度胸っ





「あの……コレ・・」


自分の鞄から、水筒型のお弁当箱を取り出した。

気合いを入れた割には、弱々しい声になってしまう(笑)




「え…?」


慶は少し驚いている。



「あ…あのっ……今日はバレンタイン・・だから……その‥慶、カレーが好きだって言ったから・・」

「……カレー?」

「う、うん!カレーを……」

「…お前が作ったの?」


ブンブンと頷く。
私はお弁当箱を慶に渡した。





「甘いもの嫌いだって言うから、カレーにしたんだ!でも、ごめんね。焼き肉なんて誘っちゃって…お腹いっぱいでしょ?だから食べなくてい……」

「いただきます」


え………?


すると、お弁当箱をパカッと開け、お弁当箱に付いているスプーンを手に持つ慶。
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