歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤
ウィ――ン…


セキュリティーを解除すると、マンションの自動ドアが開く仕組みになっている。


すると、慶は再び私の手を握りマンションの中へ入って行った。



そしてエレベーターに乗り、最上階へ行く。

エレベーターを降りると、またセキュリティーを解除しなければならない。


慶はさっきと同じで手を離し、私がセキュリティーを解除し終わると、また手を握りしめた。





カツカツカツ……‥


私のブーツの音が、やたらと響く。

セキュリティーを通り抜け、私の部屋の前までやってきた。




「…………」

「‥‥‥‥」


まだ会話はなし。

どうしたらいいんだろ……




カチ…



すると、慶は私の部屋の前でしゃがみ込み、タバコに火を付け出しだ。

タバコをひと吸いすると、慶は私を見ながら真横の地面をポンポンと叩く。



ここに…座れってこと‥だよね?


私は慶の隣に、そっとしゃがみ込んた。
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