歌姫はギタリストに恋をしたﾟ*｡㊤

私がそう思っていると…
五十嵐さんはギターを弾きながら鏡越しに、ふわっと優しく微笑んだ。

緊張が解けていく…
それが確実にわかった・・・




そして、演奏が終わると、雄大さんが腕を組ながら口を開いた。



「五十嵐くん、さすがだね！言うことナシ！！健二〜途中間違っただろ〜(汗)」


雄大さんがそう言うと、みんなが笑った。

健二は頭を掻きながら「すんません〜」と言っている。


私は楽譜の横に置いてある、ミネラルウォーターを取り、乾いた喉を潤した。



「あ、ごめんごめん。紹介遅れたけど、今日からsAra.ちゃんのバンドのギターを担当してもらう五十嵐くんだよ〜♪」


雄大さんは、五十嵐さんを指差して言った。

スタジオ内は拍手に包まれる。



「五十嵐慶です。慶って呼んで下さい。これから末永くよろしくお願いします…」


頭をぺこっと下げ、ギターで効果音を弾く五十嵐さん。

スタジオ内は笑いに包まれた。



なんて人を引きつける人だろう…






私が五十嵐さんに対する興味は、より増していたのだった。