歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤
「…………」


雄大さんと話している彩良を、俺はぼんやりとながめる。




アイツ…

雑誌の撮影終わったんだ…


夜は歌番の収録とまた雑誌の対談とラジオじゃなかったっけ?



相変わらずハードだな。





ヤツは木ノ下 彩良。

今、日本で1番売れているであろうアーティスト。


芸名はsAra.

ヤツを世間は“歌姫”と呼ぶ。

そして、ヤツは俺の女。







「んじゃあ、sAra.ちゃんも来たし…一度合わせてみようか〜」


雄大さんがそう言うと、彩良は自分の歌う一番前の真ん中の位置にある椅子に腰掛け、マイクを握りしめた。


俺はギターを抱え、スタンバイはできている。






「じゃあ行くよ〜3、2、1……ハイっ」



♪♪♪♪〜


雄大さんの合図と共に、バンドたちが演奏を始める。



彩良は楽譜を見ながら、マイクを持ち歌い始めた。
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