歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤
「……。」


交差点の曲がり角にある、大きな携帯ショップ。





携帯ショップ……





「慶?」

「――!あ?」


助手席に座っているスタッフが、俺の肩を叩いてきた。




「信号。青だよ?」

「・・・」


俺は何も言わず、アクセルを踏み車を走らせた。






「珍しいね。慶が信号見てないなんて……」

「あ‥いや……」


「…なんかあった?」

「………なぁ。今ってちょっと時間ある?」


俺は灰皿でタバコを消し、ポツリとつぶやいた。





「時間…?ああ、雑誌の対談が思ったより早く終わったから、少し余裕あるよ」

「…ふーん。じゃあ、ちょっと携帯ショップ行ってい?」


俺はUターンをし、さっきの携帯ショップを目指していた。





「……いいけど・・携帯買うの?慶忙しいんだし、俺が買っておこうか?」
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