歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊤
「失礼しまーす」


社長室を開ける。




「よォ、SaRA〜。なんか久しぶりだな〜」


黒スーツに、あごヒゲでちょっと日焼けしているこのおじさんが事務所の社長。

この人がいたから、今の私がいると言ってもおかしくない…



「あら〜SaRAちゃん〜」

「奥さん!」


社長室のトイレから出てきた社長の奥さんは、私を見つけると駆け寄り抱きついてきた。

奥さんからは、高そうな香水の匂いがする…





「久しぶりね♪元気してた?」

「うん、超元気!奥さん、パリ行ってたんでしょ??」

「そうよ〜。パリに三週間!お土産買ったから、あとでわたすね♪」

「わーい★」


私の頭を撫でる奥さん。


社長と奥さんは、私の家庭の事情を知っている。

そのためか、会うといつもこうやって可愛がってくれるんだ。





その後、社長と仕事について話したり、奥さんからパリでの出来事を聞いたりして過ごした。
< 95 / 407 >

この作品をシェア

pagetop