17歳の不良と6歳の殺し屋
そんな風に笑われれば誰だって不機嫌になる。翠は私の様子など気にもしないといった感じで未だに笑っている。
「他に言う事があるんじゃないの?」
「気になったから言ったんだよ」
「そう」
翠の瞳は細められた。その無表情の顔はどことなく私に似ている気がした。もちろん顔がではなく、もっと根本的な所がだ。
「いいよ、本当の姿見せてあげるよ…」
「は?」
私は急に立ち上がる翠とその言葉にポカンと口を開けた。
翠は頭を己の手で鷲掴みしたかと思えばそのままぐっと力を込めてその艶やかな黒髪を取り払った。
「なっ…!」
余りの展開に私の思考が付いて行けずに喉に空気が詰まってしまった。
翠は薄い布製の帽子みたいなものを頭に被っていて、それも黒髪と同様に乱暴に取り払うとスルンと翠色の美しい髪がサラサラと舞い降りて来た。
それはまるでスローモーションの出来事でさらに翠はおもむろに自分の片目に指を突っ込むような仕草をした。ビックリして何も出来ずにいたら翠は瞳から何かを取り出した。
「…こ、コンタクト…?」
それは私が思った通りコンタクトレンズだった。顔を上げた翠は瞳が左右違っていた。片方は黒で片方が翠。
ここまで来てようやく私は翠に感じていた違和感の正体を知った。
(なるほど…元がコレだから黒が似合わなかったのか)
翠は日本人離れした顔つきだ。
日本人が外国人程、金髪が似合わないのと同様に翠には黒髪、黒目が合わなかったのだ。
「他に言う事があるんじゃないの?」
「気になったから言ったんだよ」
「そう」
翠の瞳は細められた。その無表情の顔はどことなく私に似ている気がした。もちろん顔がではなく、もっと根本的な所がだ。
「いいよ、本当の姿見せてあげるよ…」
「は?」
私は急に立ち上がる翠とその言葉にポカンと口を開けた。
翠は頭を己の手で鷲掴みしたかと思えばそのままぐっと力を込めてその艶やかな黒髪を取り払った。
「なっ…!」
余りの展開に私の思考が付いて行けずに喉に空気が詰まってしまった。
翠は薄い布製の帽子みたいなものを頭に被っていて、それも黒髪と同様に乱暴に取り払うとスルンと翠色の美しい髪がサラサラと舞い降りて来た。
それはまるでスローモーションの出来事でさらに翠はおもむろに自分の片目に指を突っ込むような仕草をした。ビックリして何も出来ずにいたら翠は瞳から何かを取り出した。
「…こ、コンタクト…?」
それは私が思った通りコンタクトレンズだった。顔を上げた翠は瞳が左右違っていた。片方は黒で片方が翠。
ここまで来てようやく私は翠に感じていた違和感の正体を知った。
(なるほど…元がコレだから黒が似合わなかったのか)
翠は日本人離れした顔つきだ。
日本人が外国人程、金髪が似合わないのと同様に翠には黒髪、黒目が合わなかったのだ。