17歳の不良と6歳の殺し屋
シーン…ッと静まり返る。
雫もこの重い空気に何も発する事が出来ない。
と言うよりも。コルトをよく知らない雫にはこの重みが理解できないのだ。
コルトはそんなに危険人物なのか、このコルダとは双子の兄弟のはずなのではないのだろうか?
色々聞きたい事はあるのだけれど、やはりそれは言葉にはならなかった。


「まぁ、いいわ。コルダ、お前を呼んだ理由はわかってる?」


「うん。豚狩りなの。」

「懺悔させてあげるのよ」


二人の会話はあの馬鹿親子の事だと理解出来た。それまで雫はあの親子の事をすっかり頭から抜けていた。
一番の目的だというのに…しかし、学校でこれだけ訳のわからない事が起きては、そうなっても無理はない。
何せ、目的の相手はあれだけ弱かったのだ。雫の眼中外になって当然だろう。
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