17歳の不良と6歳の殺し屋
まるで小学校の教師と生徒のような響きの会話だった。
だが、二人の目は真剣そのものだ。


「それもあるの。でもそれだけじゃないの」

「なに?」

「破壊力のある武器はそれだけ早く事を終わらせられるの。それだけ人を殺す時間は減らせるの。」


「でも、人を殺す事に変りはない」

「雫、殺すという罪はどんどん積み重なるもの。心の奥底の鬼に自分を喰われていく事なの」


「意味、わかんない…」



「わからなくていい。」



「え?翡翠…?」


翡翠は急に二人の話に割って入って来るとコルダの顔の前に手をかざすようにして話を止めさせた。

「つまり、殺すんじゃなくて自分を守る為に使う。という事よ」

「そ…そっか。」


コルダは何か言いたそうな顔を翡翠に向けたが、翡翠はそれに一睨み返すだけでそれ以上は無視をした。
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