17歳の不良と6歳の殺し屋
ゲーッとした顔をする雫を無視して、翡翠が付け加えをする。


「雫が持っているシグと弾の種類が同じだから弾を共有する事も可能よ」

「へー…。ところでフィンガーなんとかって?」

「グリップが指の形になってる加工の事よ」

「パラベラムって?」

「弾の名前よ」

「因みにラテン語の言い回しでPpacemPara Bellum『汝平和を欲さば、戦への備えをせよ』って言うの」


雫がフーンとその銃を見ている間に翡翠はコルダに雫用の銃弾を注文していた。


「雫、持ってみなさい」

「ん、」


短く返事を返すと雫はクリティカルを持つ。


「あ、けっこうしっくりくるかも」

「そう、ならいいわ。戻して」

「ん、」


雫がまたケースに銃を戻すとそれを翡翠はパタンと閉まった。


「ってちょっと待った!!」

すると、急に雫は叫び出した。

「…何?」

「私、銃買う程お金がないの!!」


その言葉に翡翠もコルダもキョトンとした顔をした。
ココに来てなんて現実的な話を持ち出すのだろうか。
コルダはくつくつと笑って、翡翠はニヤリと言った感じで口端しを上げる。
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