17歳の不良と6歳の殺し屋
「数が多いんだったら水で少し薄めて量を増やせばいいわ」


「おう、恩に切るぜ。俺は案外動物好きでね。手荒なマネはしたくねぇと思ってた所だ。」



男が小さな箱から取り出したもの、それは形の可愛らしい小瓶。香水だった。


「それはよかったわね。…じゃあとりあえず、このまま頼むわよ。」

「おう!任せとけよ。翡翠」


ハリスはそう言って電話を切った。


「さ~て、もう一踏ん張りだぜっ!!」


ハリスはスピードをグンッと上げる。それに驚いたのか暗闇に紛れていた犬が姿を現す。

(どういう躾をしたらこういうお利口なワンちゃんに育てられるんだかねぇ)


ハリスは後ろのドーベルマンらしき犬を見て思った。
ハリスは塀に飛び上がり屋根に上った。下から犬はまだ追ってきている。
匂いを辿っているのでやっかいだ。
< 144 / 276 >

この作品をシェア

pagetop