17歳の不良と6歳の殺し屋
しばらくして、またタンタンタンッと階段を下りる音が聞こえて来た。
雫がナイフとフォーク。そしてドレッシングやバター、ジャムなどを出している間に翡翠は洗面台で手を念入りに洗っていた。

そして台所につくと、丁度並べ終わって席に着こうとしていた雫と目が合う。


「本当に…お前が料理上手なのが未だに信じられないわ」
皮肉たっぷりに言ったその台詞を雫は大して気にする風でもなく「人並みだよ」と言って返した。

二人が席に着くと。さっそくふわりと香るコーヒーの匂いが翡翠の鼻をくすぐった。

「ああ、気が利くじゃない。これでミルクを出されたら文句を言う所だったわ」

雫は心で(よかった…早まらなくて)と胸を撫で下ろしていた。

「砂糖いくつ?ミルクは?」

「いらないわ」


キッパリ言う台詞に雫は本当に翡翠の年齢を疑ってしまう。
雫もミルクは入れないが流石に砂糖は入れる。どんな味覚をしているのだろうかと翡翠を睨むが彼女は涼しい顔でコーヒーを啜っている。

「まぁまぁな味ね」

褒められているのだろうが、中々喜べない台詞だ。

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