17歳の不良と6歳の殺し屋
翡翠は手を合わせて「いただきます。」と挨拶をするのに慌てて雫も繰り返した。

(こんな事もするんだな…)

やはり翡翠には驚かされる事が多い。

「ふ~ん、スクランブルエッグね…」

翡翠は卵を上品に口に運んでく。

「あ~なんか翡翠のイメージで」

それにギロリと翡翠は雫を睨んだ。

「失礼ね…」

「は?なんで目玉焼きと比べたら上品かと思ったんだけど」


翡翠は一息ついてからまた食事を進めた。同じように雫も食べ始める。

「スクランブル…つまりは『事故』ね」


その言葉に雫は皿の上に乗る自分の卵を見て納得したような顔をする。

「あ~卵の失敗作みたいだしね。コレ」


「スクランブル交差点って言うでしょ?」

「うん?」

「人が行き交ってグチャグチャになる事」

「あ~…なるほど」

関心している雫にチラリと視線を向けると、翡翠は思いついたように問いかけて来る。


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