17歳の不良と6歳の殺し屋
敵はどうやら団体行動をとっているらしい。
グループで別れられたらめんどくさいと零していたハリスは嬉しそうに装備をしていた。
こっちは取り囲むように追い込む作戦だ。つまりこちらはバラバラって事だ。
作戦もなにもあったものではないが、相手が相手だ。逆に下手に時間をとってしまうのは命取りだった。勢いをひっくり返すのはやはり早いほうがいい。相手の冷静さを奪ってしまう程楽な戦闘はない。

それぞれ、みんなが走り出す。
雫は最近拳をふるっていないなとフと思い出したかのように思うと担いでいたライフルを降ろした。そして太ももにシグをそして背中にタクティカルマスターを装備した。

「よっし!」

暗い森でも、なんども走り回ったせいかどこがどうなっているかという事がよくわかった。
腕の辺りにサワッとした何かが伝わる。

「右に何人かいるな…」

人の気配を感じとった雫はきゅっと軽くブレーキをかけて方向転換した。
シグの先についているサイレンサーを確認して雫はギラリと瞳を輝かせてパシュン!と銃を撃った。「ぐっ」という声。「どうした?!」
抑えられた声が聞こえてきた。雫の目には二人の男が見えていた。一人は先程の銃で足を抑えて蹲っていた。それを気遣うもう一人の男。
< 217 / 276 >

この作品をシェア

pagetop