17歳の不良と6歳の殺し屋

(おかしいな…)


なんでこいつら二人なんだ。確かに先程は全員団体行動だったはず…
だが、雫はそんな事よりも目の前の敵をどうにかする方が先だと思った。
雫はグッと拳を握りしめて駆け出した。
あと数十メートルという時に、闇に慣れた目が蹲る男と、それに対してどうすればいいかわからない男の顔が視界に入った。


若い二人だった。



自分と二つかそれくらいしか違わない。

そんな若い二人。
涙を目に一杯溜めて、汗だくになって呻く男。

「ああ…どうしてこんな事に…」

ポロリと涙が男から流れた。
その瞳が走り寄る雫を映す。


「うわああああ!!来るなあああああ!!」


男は蹲る男を覆い庇うように頭を抱えてうつ伏せた。

(…?!)

そんな彼らに雫は戸惑いを隠せないでいた。
その時、

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