17歳の不良と6歳の殺し屋
「ハリス!!」

バンッ!!と勢いよく翡翠は玄関のドアを開け放っての第一声。
私はいまひとつ状況が掴めずにただ、ぼうっとその様子を見ていた。
開けたドアから煙がモクモクと出てきている。
通報されたら面倒だな…と呑気に考えていると、自分の目の前に一人の男が姿を現した。

「よう~ヒスイ~!久しぶりだなぁ。仕事はとっくに終わってるだろ?ほんの少しのお遊びだ。怒るなよ」

能天気な声だった。
短い薄茶色な髪。先の方はクネクネとちぢれていて無精髭が生えていた。
体は細身に見えるが空いた胸元から結構綺麗に筋肉がついているのがわかる。
コイツもまた日本人ではない。

ハリスと呼ばれた男は私を見て、目を見開き時が止まったかのように動かなくなった。
しかし、それは一瞬の出来事でハリスは皮肉めいた笑みを浮かべた。

「お~、なんだ。そいつ助けたのかよ?まったく、だからおめぇは甘いんだよ。翡翠」

「フン、助けたんじゃない。お前があと…そう一秒待っていてくれてたら逝かせてあげられたのに」

翡翠はクルクルと銃を回しながら言った。

「おいおい、なんだそのサイレンサーは」

ハリスは眉を顰めて翡翠に呆れ顔を見せた。

「そんなんじゃ、結構音が出ちまうだろうが。武器はスタイルじゃないぜ?」

「当たり前だ」




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