17歳の不良と6歳の殺し屋
「それってさ、恋いって言うより、友達って感じしない?」


めんどくさそうというより、呆れに近い。
今度きょとんとしたのは翡翠だ。


「友達…?」

「そう、まぁ翡翠と雫なら親友にもなれそうだね」

「恋いじゃないの?」

「友達として好きなんだよ……何より恋いは早いの君。」


もしも恋だったら嫌だとコルダは思った。
一緒に行動したい。お喋りがしたい。その人を助けてあげたい。

「翡翠は雫が大好きなんだって…大事な友達なの」

「……それって餓鬼共のちちくりあいじゃないの?」

「…どこで覚えるのそのありえない知識…」

「……仲間って事?」

「似てるけど……ちょっと違うかな。でも雫は仲間でもあるの」


翡翠は首を傾げて唸った。



(……人の殺し方やハメ方は誰よりも詳しいのに、友達がわからないなんて……)



コルダは翡翠を酷く哀れに思った。

(翡翠もちゃんと人の子だったんだなぁ~)

コルダは考えながら歩き出す。後ろから翡翠が「待ちなさい!」とコルダを追いかけていった。




大丈夫

二人で変われた。

だから
きっと

これからも変れる。


強く、綺麗で


笑える自分。



大量の荷物を見て

みんなは何を話して笑うのだろう?


ああ、なんて楽しい時間。







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