17歳の不良と6歳の殺し屋
その後姿が余りにも哀れで私は追う気にもならなかった。
翡翠も同じように思ったらしく、溜息を吐いて銃をしまっていた。
しかし、ハリスだけは面白そうに金髪馬鹿を見ていて、私たちの前へと出てきた。

「確か、俺が仕上げだったよな~」

嬉々と呟くハリスに翡翠が咎めるように言う。

「ハリス、こんな所で爆弾なんか洒落にならないでしょ」

今更の様な気もするが、私も同意権だった。

「だ~いじょうぶ。ミニボムだからよ。それにそんな度派手なモンは今日持ち歩いてねぇしな」

ハリスはそう言って小さなボムを取り出し大きく振りかぶった…が

「うわっと!」

在ろう事か、ハリスは折れた男の歯に滑ってコケた。

「!!?」

これには流石の翡翠と私も目を丸くした。
転んだお陰で余分にミニボムが飛んでいく。私達はアホ面下げてその行く末を見守って行くと、ボムは金髪馬鹿に見事命中し、「ぎゃあああああああ!!」と爽快な叫び声を上げていた。

「あーあ、生きてるかなぁ…可哀想に」

まるで人事のように言うハリスを翡翠は蹴り飛ばした。
私はまたクスクスと笑う。


その時、
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