17歳の不良と6歳の殺し屋
外はもう大騒ぎだった。
逃げ惑う不良たち。それを捕まえる警察。
汚い言葉をこれ以上ないくらいに張り上げて威嚇しているのが上から見てて何とも哀れだ。
私はシャッとカーテンを閉めた。
色々と疲れた感じがするが、このまま眠れるわけもなく。
私は目の前の二人を見て少し心を落ち着かせて話を切り出す事にした。
「…で、これからどうなるの?」
私の言葉に二人は疑問符を飛ばしていた。
「だから、私を殺すのなんだっていう話!」
ムキになっている私に対して二人はやはり落ち着いていて何とも腹ただしかった。
「ああ、その事か」
「殺されたかったの?」
「そんなわけないでしょっ!」
どうして私がこんなにイライラとしているかは、もちろん理由がある。
それは、あの馬鹿な母親のせいだ。
あんな警察だらけの場所にあの人が帰って来たら発狂する事間違いなし。
だからって私がどうにか出来るわけではないので、どうしようもないのだ。
だからイライラする。
「雫、落ち着いて。」
また、酷く冷静な声が響いた。翡翠はうな垂れて座り込む私に近づいて来ていた。
「理由がどうであれ、向こうが裏切ったんだから私がお前を殺す必要はないでしょう」
「あんた達は大丈夫なの?」
「俺は関係ないよー」
翡翠に続いたハリスの言葉に疑問を抱いていると、翡翠は肩を竦めて説明をし出した。