17歳の不良と6歳の殺し屋
「そんじゃ…」

話に一旦区切りが出来るとハリスはグッと伸びをして翡翠に視線を送っていた。

「そうね…そろそろ行こうか」

「え?」


私が何がどうなっているのかわからないでいると二人はサッサと窓に近づく。
ハリスは外の人間の様子を伺っている。
翡翠は私の方を振り向いて少し厳しい顔をした。

「一つ、忠告してくけど、確かに私はお前を殺す理由がなくなった。だけど、あっちはまだ諦めていないはず…気をつける事ね」

そういい終わると同時にふわっと翡翠の美しい翠の髪が浮かび上がった。
ハリスが窓を開けたのだ。

「翡翠!今なら…!!」

「わかった…」


ハリスはサッと飛び上がって夜の闇に消えた。
翡翠も続いて片足をかける。

「ちょっと…!!」

慌てて呼びかける私に翡翠は笑顔を浮かべていた。


「大丈夫、だってお前は私とやり合って、こうして生きてるんだから…」




そう言って翡翠は闇に溶けて言った。

私はその闇をいつまでも、いつまでも見つめていた。
嵐の様な出来事がまるで夢のようだ。




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