17歳の不良と6歳の殺し屋
二章 『仲間と共に』
翡翠と出会ってから二週間が過ぎようとしていた。
相変わらず、雫はしつこく追い掛け回してくれる雇われのチンピラをなぎ倒していた。
「結局、学校二週間も休んじゃったよ…」
休んだ理由は多々あった。
それは、この男達のせい。
雫が行く所にどこでも待ち伏せているのだ。
そして、母親。
元々母親は精神的に難を持っていた。10年前のあの日からとんでもなく心が幼稚化してしまってやっと最近マトモになって来たっていうのに…
翡翠たちが来た時に駆けつけたマスコミや警察を見て、10年前の出来事を思い出したのかガタガタと身を丸めて部屋から一歩も出なくなった。
いや、部屋の中でさえ隠れようとするので困ったものだ。
まぁ、いきなり部屋に入ってくる刺客には丁度いいのかもしれないが。
そして最後に、雫の心だ。
あの時の出来事がインパクトが強すぎたのか、表情はいつも以上に無くしてまるで機械の様だと言っても過言ではない。
やる気が起きないのだ。
どんなに刺客が来ても、どこか翡翠と比べてしまう。当然結果は翡翠とは天と地の差がある。
拍子抜けとでも言うのだろうか?
とにかく、今の雫はこの平凡な日常に『飽き』を感じていた。