17歳の不良と6歳の殺し屋
上から、何か音がした。初めは「母さんか…」と思ったが明らかな気配を二つ感じた。

「上…私の部屋かっ!?」

雫は急いで駆け出し、二階へ上がり己の部屋に向った。
身柄にゾクリとしたものが這い上がって来る。いつもの冷静な自分の行動と思考が嘘のように高ぶる。雫はこの正体を知らない。

「このヤロウ!私の部屋から侵入たぁ、やってくれる!!」

そう叫びながら部屋の扉を開けば雫の目は点になる。

「HI、雫」

「久しぶり~」


能天気な声の美しき少女と無精髭のオッサン。


「翡翠、ハリス…?!」


雫は二人の名前を叫んだ。二人は微笑みながら雫に歩み寄った。

「まったく~この不良娘め、学校くらいしっかり行け」

「は?」

雫は部屋の電気を付けながらハリスを睨んだ。

「私達はお前に用があって、学校で待ち伏せてたのよ。でもお前は一向に来ない。」

「んで、しょうがねぇから、ここまで来たってわけさ。いや~、くたばってなくてよかったよかった!!」

ハリスは大口を開けて笑った。翡翠はハリスを煩いといって軽く小突いた…様に見えたがハリスは当たった脇腹を押さえて蹲っていた。
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