17歳の不良と6歳の殺し屋
ゴクリッ…とハリスの喉が鳴る

「まさか…母親に何かあるのか…?」

「それはないでしょう」

「……へ?」


翡翠は言いながらスタスタと歩を進めて座布団をソファーから引っ張り小さなテーブルの近くに置くとその上トスンッと座った。

「これだけ気配がないんだぞ!!」

ハリスの言葉に翡翠は髪を掻き揚げながら応える。

「まぁ、一種の能力ね。10年も前から死に物狂いにこんな事続けてたら上手くもなるわ」

「……おいおい」


ハリスは脱力して翡翠の小さな背中を見ていた。

「そんな事より、お前は本気なのか?」

「何が?」



「決まってんだろ、『雫を仲間に入れる』って事だ!」

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