17歳の不良と6歳の殺し屋
怒鳴るかの様に翡翠に食って掛かるハリスに翡翠は視線で「落ち着け」と言った。
それにハリスはぐっと黙り込む。

「当たり前でしょう?何のためにコレを持って来たと思ってるの?」

雫は小さな黒いアタッシュケースを撫でながら言った。

「…それはっ!おいおいマジかよ!!それ、昨日届いた奴だろ?!素人の奴にソレを渡す気か?!」

「ええ、雫なら大丈夫」

「……っ!!」

ハリスはギリギリと歯軋りをしてズカズカと大股でその場を動くと、ドカッと翡翠の目の前に座った。


「いいか、翡翠。お前さんが何であの小娘にそこまで入れ込むかは知らん。確かに、あの娘は強いのかもしれない。俺は直接戦ってないがな」


「通り名は“戦慄の穏剣”というそうだ」


「そうかい!それは大層な名前だぜ!そうじゃないっ!俺が言いてぇのはだなっ」

荒々しく怒鳴り上げるハリスに翡翠は瞳を伏せて静かに言う。

「雫はね…私の銃を耐えたのよ」

「…は?」


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