17歳の不良と6歳の殺し屋
雫の一言によってガラッと場の空気が変った。

「それじゃあ、本題に入るわね」

ゴクリと雫は生唾を飲んだ。隣にいるハリスも眉を顰めているのがわかる。

「関ケ原 雫、お前に私達の仲間になって欲しいの」

「………は?」

「いきなりだな…お前」


彼女の突拍子のない行動や台詞に慣れてきたと思っていたのだが、とんでもないと雫は自覚した。


「私に殺し屋をやれって?」

「まぁ、似たようなものね」


翡翠が言うと、雫は溜息を吐いて、ゆっくりと鋭い視線を上げた。


「冗談じゃない。お断りだよ」


ハリスはそりゃそうだよな~と笑っている。翡翠も笑う。

「そう言うと思った。でも、お前に選択する余地なんてないの」

「どういう事」

眉を顰める雫に翡翠の瞳がギラギラと輝いた。

「うちのボスがね、一度依頼を受けたら最後まで殺せっていうのよ。」

「……!?」

飛び上がりそうになる雫を翡翠は視線で黙らせた。

「信用に関わるし、娘一人殺れないなんて私の評判まで落ちる」

雫はナイフを握る。

「でも、お前が仲間になれば話は別よ。」

「話が見えないんだけど?」


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