17歳の不良と6歳の殺し屋
「おい、そりゃあ、どういう事だ?」

にんまりと手を組みながら言う翡翠にハリスは言う。
雫は汗をダラダラと尋常ではない程に流していた。
呼吸もままならない様子だ。

「雫…?」

ハリスが雫の名前を呼ぶ。しかし雫は応えない。

「フフ…」

変りに翡翠が微笑む。

「表情が豊かになってよかったわね…雫」

翡翠のこれ以上ない柔らかな微笑み。まさに天使の皮を被った悪魔。


「私は…」


搾り出すような引きつった声が響く。


「私はアンタ達とは違う」

「そうかしら?」


必死の睨みも翡翠に効くはずがなく。


「雫、認めなさい。私と戦った時、楽しかったでしょう?」

「……」

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