17歳の不良と6歳の殺し屋
そして、翡翠はスッと立ち上がった。

「それじゃあ、それを言いに来ただけだから…」

「え…ちょっと!」

「まぁ、お前が来なかったらあの馬鹿息子には『あの子は余りに“慈悲深くて”貴方を
殺せなかったそうです』ってちゃんと伝えといてあげるから心配しないで」


そうニッコリ笑って言うと、翡翠はハリスに「行くよ」と呼びかけて窓に向った。

「待って!」

雫の呼びかけに翡翠は振り向く。

「また来るわ、雫。その時は返事を聞かせて」

「そういう事で」

ハリスが手を振る。
急いで駆け出そうとする雫と同時に翡翠も窓を飛び出した。


「Adios!雫」

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