17歳の不良と6歳の殺し屋
そして、出て行った二人は明るくなっていく日を見ながら並んで歩いていた。

「いや~驚いたぜ…ありゃ脈ありだ。」

「そうね」

翡翠は笑う。その瞳はまるでこの先が全て見えているようだった。

「でもお前、よく自分の事を問題児なんて言ったなぁ。完璧主義の癖に。」

「まぁね…」


翡翠は少し歩を早めてハリスの前を歩き出す。
ハリスは両手を頭の後ろで組んでのんびりとその小さな後ろ姿を見ていた。


「私は、確かに問題児よ…色んな意味でね…」


翡翠はニッコリと顔を上に見上げて笑う。同時にパシュッという音が響く。

「そうだな」

「ホラ、行くよ」

「あいよ」


ドサッという音が歩いていた二人の後ろから聞こえる。

(けどよ、翡翠。俺が本当に驚いたのは、あの『孤高の輝石』と謳われたお前が、仲間…なんて…)


ハリスは目を細めて翡翠を見つめた。
そして携帯電話を取り出す。

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