17歳の不良と6歳の殺し屋
「……!?」
その顔に男達はザッと身を引き始めた。

「な、なんだ、コイツ…!!」

慌て出した男達にチッと舌打ちをする。それは、先程の黒いスーツの男だった。
男は前に飛び出て雫と視線を合わせる。
しかし、この異常な剣幕に男の顔が引きつる。それでも引き下がらない所が他の男達よりも上の存在だと認識させた。

「ま、まぁ、雫さん少しおちつ…」

刺激しないように滑らかな声と手の仕草で語りかけたのだが、今更もう何をしても遅かった。
ボロボロと床に何かが落ちる。


「え…?」


男が何かと思い、それを拾うとするが。


「あれ…?俺の…指…?俺の、俺の指、指がああああっ!!」


急に絶叫し出す男。手から止め処なく血が噴水の様に溢れている。
床には五本の指が散らばり血の池に浸かっていた。

それを合図に他の男達も騒ぎ出した。

「この、化け物があああっ!!」

拳を振り上げる男はその振り上げたままの状態で雫に捕まった。
ゴキゴキゴキッと鈍い音が響く。

「ひぇえあああああああっ!!」

腕が三回転もして曲がっている。


(アレ? ナンダ?コレ?)


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