17歳の不良と6歳の殺し屋
だが、翡翠の話はまだ終わらない。

「そして、次がこれ」

「まだあるの~~!?」


不満そうな雫の叫びにあからさまに翡翠の顔が歪んだ。
まさに『何?私の話がそんなに聞きたくないわけ?』と物語っている。
だが、雫も負けてはいられない。何でこんな餓鬼にビクビクしなきゃならないのかと開き直っていた。

「私、一応病人なんだけど?」

「病人に運動させてるわけじゃないでしょ。それとも何?お前は話を聞くだけで体壊す
ような軟弱者なの?」

「そうじゃないけど…!」


そういう問題ではない。と言いたいのに翡翠は「ならいいわね」と勝手に話しを進めている。
翡翠の後ろではハリスが「諦めな」と肩をすくめてみせていた。

それに雫は大きく溜息をするしかなかった。

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