イケメンゴースト
 「杏!大丈夫か?」
急に抱きかかえられて
体が宙に浮く。

 「保健室行くから」
耳元では、純の荒い息と
優しい声が聞こえる。


「痛くないか?」
保健室に着くと、顔を隠していた手をどかされて
まじまじと見られる。

 「目、開けれる?」
 「ん」
言われるままに重い瞼を開けると純の顔が見える。
 「痛い?」
 「うん。ちょっとだけ」
「それ、鼻にあててな」
純にティッシュを渡されて、鼻にあてる。
すぐにティッシュは赤い血で染められて使い物にならなくなった。
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