イケメンゴースト
「おぶってくよ?」
「いいよ…重いし」
「恥ずかしいとか、重いとかじゃなくて」
「…ありがと」
今は純の優しさに甘えておこう。
純に背負われて家まで帰る。
「なぁ杏。変な風にとらないで聞いてくれるか?杏の家じゃなくて俺ん家でいい?」
「……なんで?」
「そんなひどい顔、杏の親が見たら大変だろ?だから俺ん家で処置する」
「わかった」
私は純の大きな背中に顔を少しだけうめる。
なるべく振動がこないようにと、走らずに歩いてくれる純に感謝の気持ちをこめて。