イケメンゴースト

部屋に入るとまず目に入ったのが 純の大きなエナメルバッグ。
チャックが開いてて中の服が少しだけ飛び出してる。

机の引き出しを開けると
夏との写真が目に飛び込んできた。

「な……っ…つ」

小さく呟く。
写真の中の夏はすごく綺麗に笑っていて、その隣の私も笑っている。

こんなことになったのは、
いつからかな。
「あっ」
写真の上に雫が一粒落ちた。何泣いてるんだ、自分。

「杏!飯!!!」
「あっご飯」

下から純が呼んでくる。
私は下におりていく。

< 153 / 346 >

この作品をシェア

pagetop