イケメンゴースト


 「お前、泣いたの?」
 「ゴミがね。入って」

わかりやすい嘘をついて苦笑いする私に純はゆっくり口を開く。

「夏となにかあったんだろ?まぁ、杏が言いたくないなら無理には聞かない。…けど、誰かに相談した方が絶対に楽になれると思うよ」

「携帯……捨ててきっちゃった」
「は?どこに??」

急に慌て出して色々質問してくる。

「病院を出てすぐのゴミ箱」「俺、探してくっからちょっと待ってろ」

純は上着もはおらずに走って出て行ってしまった。
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