イケメンゴースト
=10分後=
「ごちそうさまでした。」
「杏ちゃんは
美味しそうに食べてくれるわね。
…夏なんて
一言も話さないから。」
「そうですか…」
夏のお母さんは
寂しそうに話す。
「食器、洗いましょうか?」
「あぁ。いいわよ!
杏ちゃんは
夏のところに行ってあげて?」
「あ、はい」
階段を上がって
夏の部屋に向かう。
「遅くなっちゃって
ごめんね?」
「…… 」
応答がないので
暗い部屋を見渡すと
夏が寝息をたてて眠っていた。
「しかたないなぁ…」
夏の前髪をわけながら
小さい声で呼びかける。