イケメンゴースト
でも、
やっぱり心配だった私は、
イケメンゴーストって
呼んでる人を探して
その人達とケンカをした。
そしたらさ、
その人達、
「お前ってイケゴの彼女?」とか言い出して。
ここで違うとか言ったら
夏は傷つくだろうと思って
「うん。そうだよ、
だったら何?」って
言ったんだ。
そしたらね、
いきなり1人が
殴りかかってきて、
私は目を固くつぶった。
けど、
いつまでたっても
痛くなくって目を開けたら、
夏がその人の手をつかんでた。
「大丈夫?」
心配そうな顔で
私の顔をのぞきこんでくる。
「うん。」
そうは言ったものの、
私の目からは涙が
次々に流れて止まらない。
「 杏は、何で無理するの?」
そう言いながらも
強く抱きしめてくれる
夏の腕の中で
「怖かったよぉ」
と言いながら泣き崩れた。
「ごめんな。俺のせいで」
「ううん。
そんなことない。
…これからは夏が私を守って?」
私は夏に告白した
「えっ?」
「だから、
私の彼氏になってってこと!」
鈍感な夏に
ちょっと苦笑いして
再度告白した。
「でも、こんな俺だよ?」
「こんな夏だからいいの!」
夏は頷いてくれた。
優しく笑いながら……