ココとマシロ
祐子はとても驚いていた。その様子に対して、直哉は特に気にならない。しかし、隣のココの反応に対しては別だった。
…なんで?なんで篠宮サンがそんなに驚いてんだ?
……もしかして、何か見えてる?
確かめようと直哉はココに声を掛けようとした。だが、その口は、言葉を発する事なくまた閉じられた。
何故かって、そりゃあな。
「鈴木さん…大丈夫?」
篠宮サンが、やっぱり何かに気付いたみたいだったから。……でも、
「何か悲しいの?どうしたの?」
変な所鋭いくせに――基本、鈍い。
気持ちを伝える手助けのためにそこで、「何か無くしたのか?無いって言ってたよな?」と、直哉が言うと、祐子は驚いた様子を見せ、そして、小さくうんうん。と頷いた。