ココとマシロ


「……お守り…」

「え?」

「お守り…なくしちゃった、みたいで…」

「お守り?」


すると消え入りそうな声でやっと答えてくれていた祐子だったが、直哉とココが口を揃えて尋ねた事でまたモゴモゴと口を閉じてしまう。

そんな祐子を見て直哉は、不思議に思う気持ちが大きくなった。…なんで鈴木は、篠宮サンをそんなに意識するんだろう。

しかし当の本人である篠宮ココは、そんな事にちっとも気が付かない。


「じゃあ探そうよ!ココも手伝う!」

「…えっ⁈ 」


「ね?みんなで探せばきっと見つかるよ!」そう提案するココは、お手本になるくらいにピッカピカな満面の笑み。

これを断るのはいくらなんでも難しいだろうと、直哉は思う。


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