ココとマシロ


「…あ、でも…多分、鞄に入ってるし……探して貰わなくても…、」

「あ、そうなんだ!鞄に入ってるなら安心だね!……あれ?鈴木さん、鞄は?」

「っ!!……きょ、教室に……」

「教室か!ココもマキ君も教室に置きっぱなしなんだ、したら一緒に行こう!」

「……う、うん……」


……いや、笑顔以上にこっちの方が厄介だろうな……
人懐っこいというか、なんというか。篠宮サンにはグイグイ押していく力があると思う。


そしてじゃあ行こうか、と、三人は自分達の教室へ向かった。


放課後のそこは、昼間のような騒がしさが思い出せないくらいに静かである。図書室とは違った温かな静けさの中、残されていたのは三人分の鞄だけ。

各々が自分の鞄の元へ向かう中、祐子は急いで鞄の口を開く。そしてこれでもかと探ってみるが――


「……無い」


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