ココとマシロ
* *
マシロがパチンッと指を鳴らした。
すると辺りの空気が実際には何も起こっていないのにも関わらず、ざわざわとざわめき始めたのをココと直哉は感じとる。
すると、それからはあっという間だった。
「教室の前」
「え?」
「の、あった。この隅」
「えぇ?…って、あれ、本当だ!!」
そこは、教室の前の廊下にある、消火栓の赤い箱の影になる部分。
さっきも見たような気がするけど…こんな奥には無いだろうと勝手に思い込んでたからかな。見つけられなかった。
「それで合ってるはず。でもよくこんなとこに入り込んだね。どうやって落としたんだか」
「…うーん、どうだろうね……落としちゃったの気付かなかったみたいだから…」
「あれじゃね?篠宮サンが鈴木とぶつかったやつ」
「……あっ!」