ココとマシロ

* *



マシロがパチンッと指を鳴らした。

すると辺りの空気が実際には何も起こっていないのにも関わらず、ざわざわとざわめき始めたのをココと直哉は感じとる。


すると、それからはあっという間だった。


「教室の前」

「え?」

「の、あった。この隅」

「えぇ?…って、あれ、本当だ!!」


そこは、教室の前の廊下にある、消火栓の赤い箱の影になる部分。

さっきも見たような気がするけど…こんな奥には無いだろうと勝手に思い込んでたからかな。見つけられなかった。


「それで合ってるはず。でもよくこんなとこに入り込んだね。どうやって落としたんだか」

「…うーん、どうだろうね……落としちゃったの気付かなかったみたいだから…」

「あれじゃね?篠宮サンが鈴木とぶつかったやつ」

「……あっ!」


< 116 / 258 >

この作品をシェア

pagetop