ココとマシロ


「……また君?」


マシロがウンザリした様子でそう言うと、直哉は、「うん、またオレ」なんて、少しも動じずに答える。


「なぁ、どうやったの?」

「……どうだって良いだろ」

「影でそこまで分かんのか?」

「………」


コイツはどこまで知ってるんだろう、とマシロは思う。ソッチ関係――つまり、ココの両親と同様に、影やら鬼やらに詳しい家系の人間なのは分かっている。見える事はそれを示しているのだから。


「……影にも持ち主同様種類があるから、それを探せばすぐ分かる」

「じゃあ鈴木の事知ってたのか?」

「物を無くして焦ってる奴がそうってだけだ」

「物の方だけでも分かるんだ?」

「…それだけ大事にしてたって事。大事にしてれば自然と持ち主の影も染み付く」


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