ココとマシロ


「そう言えば、ちゃんと謝れたの?キーホルダーのヤツ」

「え?」

「だから追いかけたんじゃないか、あの女の子の事」

「!……そうだったぁ…っ!」


「明日!明日絶対謝らなきゃ!」と、ココの頭はマシロの事からすっかりそちらの方へと切り替わり、マシロはホッとして小さく溜め息をついた。


どうだって良かったはずなんだ。ココが喜んでくれるなら、僕だって嬉しい。ココに友達が出来る事を、僕だって望んでいる。……なのに。


――気に入らない


マシロは、ココ以外の人間に感情を抱くのは初めてだった。


アイツは、 何なんだ。



マシロは、予感がしていたのかもしれない。


終わりの――始まりを。



< 133 / 258 >

この作品をシェア

pagetop