ココとマシロ


「うん…そっか」

「ココ、嫌だな。独りは嫌だな」


そう力なく呟くココの涙は止まっていたが、先程よりも落ち込んでいる様子がマシロには見て取れた。


「マシロも来てくれれば良いのに。そしたらココは独りじゃないのに」

「うん」

「マシロも一緒に行こうよ。前は来てくれたでしょ?」

「………」


縋るようにマシロを見るココに、マシロは困ったなぁ、と内心思う。転校する前までは独りのココと共に通学し、一日中そっと傍に居た。出来ない事では無い。だからどうしてもと言うのなら行ってあげても良いんだけど……


「……ココは、頑張るんでしょ?」

「………」

「言ったよね?今度は友達沢山作るんでしょ?」

「………」


< 16 / 258 >

この作品をシェア

pagetop