ココとマシロ


その言葉にココは俯き、「でも…」と、スカートの裾を握り絞める。

確かに、それは以前、ココが言った言葉。
でも今のココには、その時の気持ちに戻る事が難しい。ココは、心の中で葛藤する。


そんなココを、マシロは理解していた。

ココの望みを叶えてあげたい。そう強く思うマシロだからこそ、一緒に来て欲しいというココの気持ちに答えてあげたかった。

しかし――マシロは知っていた。


ココには同じ人間の友達が必要だという事。

そして、ココ自身も何よりそれを望んでいるという事を。


それには学校という場所に自分という存在が在る事は、邪魔なのだ。


「……ココ」


優しげに声を掛けるマシロ。こんな表情はココにしかしない。


「まだココはここに来たばかりだから、みんなまだまだココの事を知らないんだ。ココもそうでしょ?」

「……うん…まだ全然知らない」

「ココの事が分かればきっと、ココの事を好きになってくれる人が現れるよ」

「……変なのに?」


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