ココとマシロ
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暗闇の中視界はとても悪く、足元すら十分に確認がとれない。だからだろうか。普段よりも音が大きく、繊細な部分まで耳に入ってくるような気がする。
そう、まるで聞こえるはずのない音まで聞こえてきそうなーー…ガサッ
「っ⁈」
思わず振り返るが、そこには特になんの変化も見られないーーいや、確認は出来ない。何も見えないのだから。
ココは思わず身震いした。
「え、エミカちゃん、今違うとこから音しなかった…?」
「……」
「怖いな…今どこだろう。もうずいぶん歩いたよね」
「……」
「真っ暗で何も見えないしそろそろ帰ろうよ…結局何もないみたいだし、あの人の影も…いないみたい、」
「いるよ」