ココとマシロ


***


「ココちゃんがいない」


駆け寄って来た笑華は表情とは裏腹に囁くような声で言った。
どういうことだと直哉は聞き返そうとしたが、笑華は静かにするようにと自らの口に指を当てる。


「なんとなくいるかもしれない所は思いつくんだけど、だとするとちょっと騒ぎになるとまずい」

「いや、騒ぎになるとって、んな大袈裟な。トイレにでも行ってんじゃねーの?今片付け終わったばっかなんだから、」

「だーかーらー、その前からいないんだっつーの。じゃなきゃ気にしないわ、バカじゃないの?」

「んなっ!おま、バカって、」

「いいから、ちょっと来て!」


そして笑華に引かれるまま直哉は外へと連れ出された。




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