ココとマシロ


外へ出てからというもの、笑華は一言も発さないまま先へ先へと歩いていく。その表情は妙に真剣だ。


「なぁ、なんでそんな焦ってんだよ。なんかお前いつもと違くないか?いつも気にしてないだろそんなに」

「……」

「ココだって一人で行動くらいすんだろ?ただ先にバンガロー戻っただけかもしんねぇじゃん。おい、笑華?聞いてんのかよ」

「…だって、嫌な予感がする」

「は?」

「だってココちゃん見てたんだ。何もないのに」

「…何もない?」

「......」


立ち止まり、笑華は振り返った。


「…悔しい」



< 185 / 258 >

この作品をシェア

pagetop