ココとマシロ


「……?」


顔をしかめて考えるが、さっぱりわからないといった表情のココ。言葉が難しくなっていたことにその表情でマシロは気づいた。


「影は時間が経つにつれて、元の持ち主の人間のようになるんだ。人間は人との繋がりを欲するから、仲間を欲しがる。だから影も時間が経つにつれて自然とその意識が強くなる。だからココに気づいて欲しくて、気づいてくれたココをどうにかしてこちら側に呼びたくて、一番最適だと感じたエミカの姿になった。そうゆうこと。あれは、それだけの能力が身につくくらいの時を経た濃い影はだったってことなんだ」

「……そっか…」


小さい声で呟いたココは、「じゃあ、もしかして」と、続けて口を開いた。


「もしかしてそれって、ココの気持ちを読んでなんにでもなれるってこと?」


つまりそれって、


「ナオヤもエミカちゃんも、学校のみんなも、本当は影かもしれないってこと?」



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