ココとマシロ
1.みんなと違う



「朝だよ、ココ。久代が呼んでる」

「……もうちょっと…」

「…うん、分かった。でもあと10分だけど平気なの?」

「……うーん……うん?」


ハッと目を開けたココは、急いで時計に目をやった。マシロの言う通り、出発まであと残り10分。

サァーッと身体の中で何かが引いていくのが、ココには分かった。


「や、やばい、やばい!」


飛び起きてバタバタと仕度をし始めるココ。そんなココを見てマシロはあらら、と他人事である。


「マシロ、起こしてくれるって言ったのに!」

「?、起こしたじゃん」

「あと10分だよ!?もう学校行きたくないー」

「そうなの?じゃあ今日は何する?」


なんて、涼しい顔をして言うマシロをココは睨み付ける。するとマシロは笑って「冗談だよ」と言った。


< 2 / 258 >

この作品をシェア

pagetop