ココとマシロ
1.みんなと違う
「朝だよ、ココ。久代が呼んでる」
「……もうちょっと…」
「…うん、分かった。でもあと10分だけど平気なの?」
「……うーん……うん?」
ハッと目を開けたココは、急いで時計に目をやった。マシロの言う通り、出発まであと残り10分。
サァーッと身体の中で何かが引いていくのが、ココには分かった。
「や、やばい、やばい!」
飛び起きてバタバタと仕度をし始めるココ。そんなココを見てマシロはあらら、と他人事である。
「マシロ、起こしてくれるって言ったのに!」
「?、起こしたじゃん」
「あと10分だよ!?もう学校行きたくないー」
「そうなの?じゃあ今日は何する?」
なんて、涼しい顔をして言うマシロをココは睨み付ける。するとマシロは笑って「冗談だよ」と言った。