ココとマシロ
2.嘘つきは嫌いだ
「………」
「…行かないの?」
「……行くよ?」
「うん。じゃあいってらっしゃい」
「………」
そしてチラリと校門を確認はするが、なかなか足を踏み出さないココ。
そんなココを見て、昨日は元気だったのに、と、マシロは心の中で溜息をつく。
「…ココ。友達、作るんでしょ?」
「……うん。作る」
「ほら行かないと。遅れちゃうよ?」
「……うん」
なんて返事をしながらもココはまだ動く気配を見せない。ココの事だ。自分の中でも物凄く戦っているのだろう。
困ったなぁと、ココのための次の言葉を探すマシロに、ココは地面へと向けられていた目線をゆっくりと向けた。